身辺雑記

あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊い
あらゆる芸術の士は人の世を長閑にし、人の心を豊かにするが故に尊い
隣に掲載されている記事が、児玉果亭のことに触れていて、そのなかの一文「余が児玉果亭翁の人為の中に最も感服してゐることは翁が山紫水明の信州に匿れて俗界を遠ざかつたことである。其遠ざかると云う意味が、只壮麗な大自然を愛慕すると云うことだけに止まらずに、自己の心膽玲瓏たらしめるやうに、文明の思潮や、動揺の激烈な人情と断ち、物慾や利害と断つて、専心藝術の根本義に穿入して行つた處に翁の偉大な面影が浮動してゐると思ふ。」というのが、自分の今の生活と重なりました

岸浪流溪「作品と年齢の影響」『美術之日本』5巻2号、審美書院 、1913年2月所収
「別にお話しする程の感想も御座いません、筆を執つても寒いんで思ふやうに書けませんので困ります」

小林古径「此頃の感想」『美術之日本』5巻2号、審美書院 、1913年2月所収
高橋清「石は永遠の生命力を地にあって象徴する。いわば自然が人間に与えた大地の骨であり命である。内に命を秘めた石に人間の祈りの形を与え継ぐのが彫刻家の一生である」